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Rosenbauer社で活躍する重可搬ロボット・KR titan

超大型重可搬ロボット、最新鋭のマシニングセンター、カスタマイズド自動化ソリューション:オーストリアの消防用品メーカー・Rosenbauer社は、KUKA社、Promot社、Hermle社の三社と共同で生産体制を構築しました。


狭い屋内では、超大型ロボットがなおさら巨大に見えます。パレットプールに囲まれたKR titanは、部品の入ったクランプパレットを個別にピックアップし、連結されたフライス盤+旋盤マシニングセンターに誘導し、完成品を再び取り出します。複雑なポンプ部品やシャーシ部品などはここで加工されます。その間に、KR titanは自動的にパレットを都合の良い順番に並べ替えます。その巨大なサイズにかかわらず、これらすべてが驚くほど迅速かつ静かに行なわれます。そして、それは完全に自律して行なわれています。オーストリア・レオンディング市の消防用品メーカーRosenbauer社の生産エリアにあるロボットは、従業員が帰宅して施設内が無人になった後で作業を行ないます。数週間前に導入された設備が順調に稼働しているのは、複数の企業の完璧な連携によるものです。

© Rosenbauer International AG

大きな計画、小さなスペース

同じ場所には以前、フライス盤+旋盤複合機がありました。「それらを交換する以外に選択肢はありませんでした」と、Rosenbauer社の機械製造マネージャーであるミヒャエル・シェフトナー氏は説明します。フライス・旋盤も14年が経過すると、「故障」の発生件数が増大し、修理の回数も増えてきていました。「当社は、稼働率や生産性の点では限界を迎えており、無人の第3シフトという選択肢も必要でした。同時に、当社の製造する部品の種類も増えましたが、とりわけシャーシ部品については、旧型のマシンでは製造が困難になっていました。」

Rosenbauer社に採用されたKUKA KR titan

生産を外部に委託するという選択肢はありませんでした。複雑な部品の多くは、絶対的なノウハウが詰まった製品であり、Rosenbauer社が外注できないものです。それどころか: 新型緊急車両RTシリーズの部品が追加された他、従来よりサイズの関係から外部加工していた部品を内製化することになりました。
当初から、スペースの問題があることは明らかでした。ミヒャエル・シェフトナー氏の頭の中で膨らむ計画を妨げたのは最大で6 m×6 mにもなる可能性のある設置面積でした。彼が希望したのは、大型部品もスムーズに加工できる機械と、ロボットとサイズが2種類のクランプパレット15枚からなるパレットプールとの自動化された組み合わせによって第3シフトの無人化を実現することでした。そのため、購入リストがどんどん長くなりました。

Rosenbauer社で導入されたKR titan

新しい生産の心臓部

Hermle社のフライス盤+旋盤複合機の導入は、比較的早く決定されました。「私は10年前からHermle社のマシンが欲しいと思ってました」と、ミヒャエル・シェフトナー氏は言います。「サイズとタイプが当社の用途にぴったりなので。」それに加え、サプライヤーからの積極的なフィードバックがあり、それも彼の選択を押す結果となりました。
最終的に、C52U-MTというマシニングセンターに決まり、これは最大1000×1100×750 mmの部品を加工でき、シェフトナー氏の言によれば、「極めて高い寸法精度と表面品質」を実現します。

Hermle社のフライス盤+旋盤複合機

このマシンは、14,000 rpmのスピンドルツールを始め、HSK100用ホルダーフレーム付きで302個のツールのツールマガジンや、プログラムにより10~80barまで無段階で冷却潤滑油を使用する内部冷却剤供給装置測定プローブBlum社製フォームコントロールを装備しています。さらに、Hermle 情報モニタリングソフトウェアシステムにより、マシンのすべての状態を常時通信し、問い合わせることができます。

ミヒャエル・シェフトナー氏は、Rosenbauer社の取締役会に最大の機械生産への投資についての合意を取り付けるために、これまで多くの時間を費やしてきました。彼は多数のフォルダーにROIおよび事業ケースに関する計算をまとめ、精算部品ごとに分類しました。そして、カスタマイズされた自動化設備に対してゴーサインが出たのでした。

「私が思い描くようなシステムは、特にこのように極めて限られたスペースでは、これまで存在しませんでした。そのため、当社向けにカスタマイズされた自動化システムを自分で設計することにしたのです。」

ミヒャエル・シェフトナー氏、Rosenbauer社の機械製造マネージャー

子供部屋のTitan

なぜなら、今や自動化の時代だからです。彼の行なったことは、小さな会社であるRosenbauer社の伝説になる可能性があります。「レゴ・テクニック建設に熱中している」息子と一緒に彼は子供部屋に座り、 レゴ・ブロックで、KUKAロボットモデルといくつかの小さなパレットをデザインし、それが最初のスケッチのベースとなりました。そして、それは驚くほど実際の装備に近いものでした。
それがKUKAロボットになることも、比較的早い段階で明らかでした。900 kgまでのパレットを狭い場所で動かすことができ、しかも数メートルのリーチを持つロボットを探していたミヒャエル・シェフトナー氏はすぐにKR titanというKUKAの最大モデルに行き着いたのです。KR titan 1000は、オープンキネマティクスを採用した可搬重量最大1,300 kgでは初の6軸重可搬ロボットです。

量産品ではない

次に、シェフトナー氏は、Promot社のスペシャリストに辿り着きました。この場合、共通の前史があったため、Rosenbauer社は既にいくつかのプロジェクトで、オーバーエーステライヒ州の企業のソリューションを高く評価していました。複雑な要件という観点から、「量産品」の自動化ソリューションという選択肢はありませんでした。Hermle社、KUKA社、Promot社の三社と何度も調整のための会議を重ねて、最終的に現在レオンディング・プラントで稼動しているソリューションが完成しました。

中央には6軸標準仕様のKUKA KR 1000 titanが設置されています。パレットのサイズにより、この重可搬ロボットの可搬重量は「わずか」850 kgであり、リーチは最大4 mです。巨大さはPromot Palmasterの中心的な輸送要素であり、それによって最大15個のパレットを一時的に保管することができます。しかも、サイズの異なる2種類のパレットがあることが必須条件でした。四社のアンサンブルの3番目の要素がHermle C52-UMTです。パレットに固定された部品は、セットアップステーションを経由してPalmasterに運ばれます。KR titanはそれを受け取ってマシニングセンターに渡しますが、、その際、大きなリーチを十分に活用する必要があります。加工終了後、ロボットは再びパレットをピックアップし、設置、付け替え、撤去します。ロボットは、優先順位に従って部品を再度ピックアップし、マシン内で加工して再び取り去ります。

すべての工程は、ホストコンピューターソフトウェアProsys 3.1で制御されますが、これはPromot社が長年自社開発してきたものです。各工程の他、このソフトウェアは全NCプログラム、マシンの稼働率、ツールバランスの計算、システムのクランプ装置の管理も行なっています。「第3シフトでは、実際に無人でも走行することも可能です」と、ミヒャエル・シェフトナー氏は言います。これにより、ピーク負荷対策が確保され、当社はアセンブリラインのボトルネックを上手に解消することができます。オートメーションやロボティクスそのものについて説得する必要はありませんでしたが、その規模には当然注意が払われました。会社が私を信頼してこのような大きな金額を投資してくれたことは、決して当たり前のことではありません。」

Rosenbauer社、KUKA社、Hermle社、Promot社の四社間の協力

Work in progress

ミヒャエル・シェフトナー氏は、設備・ロボット・マシンの可能性は、現状ではまだ十分に活用されているとは言えないものの、「将来への備えもしておきたい」と強調します。他の場所でも当然やるべきことがあり、シェフトナー氏は現在さらに2つのプロジェクトを考えていて、「もちろん、また同じ担当者の皆さんに連絡を取るつもりです」と語ります。

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