溶鉄の流し込みのオートメーション化ソリューション
2台のKUKA KR 1000 titanロボットが並行作業
溶鉄の鋳込みに重可搬ロボットのKUKA KR 1000 titanを2台投入することで、Georg Fischer社はフレキシビリティと成型面を最適に活用する可能性を獲得しました。鋳物の置き場所に細かな制約が生じる鋳造システムとの決別です。インテグレーターのROBOTEC Engineering GmbH社が開発したソリューションで、2台のKR 1000 titanは並行作業を行います。ロボットは耐熱性カバーで、鋳造所の過酷な高温から保護されています。
ロボットフランジには、1400度もの熱い溶鉄を流し込むための鋳造用とりべがあります。鋳造用とりべとロボットフランジの間には、溶鉄量を計るロードセルが備えられていて、次の鋳造サイクルで不足した溶鉄量を正確に補うことができます。鋳造用とりべには常に適量の溶鉄が入っていることになります。このフレキシブルな6軸型ロボットによって、鉄を鋳型の好きな場所に流し込むことができるようになりました。
鋳物の取出しができるまで、砂型は700 °C以下に冷却されます。室温までさらに冷却した後、部品は砂落としされて、目視点検が行われてから、出荷に向けて準備されます。不具合や長いダウンタイムがあると、鋳造用とりべ内の金属が冷えて鋳造には使えなくなります。
こうしたケースに備えてROBOTECは画期的なソリューションを開発しました。処理中の鉄が2台のロボットによって鋳造炉に戻され、そこで鉄が再び鋳造温度まで加熱できるようにしました。もう一つのイノベーションは、鋳造用とりべ交換の完全自動化です。ロボットが使用済みの鋳造用とりべを取り外して新しいとりべと交換します。ロボットのグリッパー交換と同じ要領です。KUKAロボットの導入により、炉での煩雑な段取り作業を手早く、しかも作業員の手を煩わせずに行うことが可能になりました。