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KUKA KR AGILUS WPはSAACKE社において高速かつ精確なツール供給を可能にしています

ドイツ・バーデン州のプフォルツハイムにあるGebr. SAACKE GmbH & Co. KG社は、精密工具や工具研削盤の製造を専門にしています。


この1892年に創立された同族会社の顧客は工具メーカーと機械メーカーが中心ですが、自動車産業や航空産業の会社もあります。

SAACKE社は約200人の従業員を擁し、精密工具や工具研削盤の開発・製造から、研修や技術コンサルティング、ソフトウェア調整に至るまでの広範なサービスを顧客に提供しています。中小企業である同社はヨーロッパ以外で北米、中国、インドに3社の子会社を持っています。 

ロボットベースのオートメーション化には、研削工程における交換時間を大幅に短縮することが求められます。
UW I Fタイプの研削センターにさまざまなワークをスムーズに装着するために、SAACKE社は交換時間の大幅な短縮を目指していました。そのため、この会社は研削工程のロボットベースのオートメーション化を選びました。小型ロボットシリーズKR AGILUSのウォータープルーフ仕様のKUKAロボットは今日、高速かつ精確なワークの引き渡しや取り出しを行い、それによって工具研削盤の稼働率の最適化を実現します。

精確さとスピードが焦点

「UW I Fタイプの工具研削センターのために、弊社は高速かつ精確に作業する自動化ソリューションを探していました。可能な限り高いフレキシビリティを保証するためには、さまざまなタスクをこなせるロボットを設備に組み込む必要がありました」とSAACKE社機械部門/設計部長、ゲルハルト・コップ氏は説明しています。その実現に適したパートナー探しにおいて、SAACKE社はKUKAに決定しました。 

 

KUKA KR AGILUSロボットは高速かつ精確なワークの引き渡しや取り出しを実現します。

ロボットのコストパフォーマンスおよびフレキシブルにプログラミング可能である点が決め手となりました。

SAACKE社機械部門/設計部長、ゲルハルト・コップ氏

完全自動化される設備の構想時には設計、カスタマーサービスおよびIT部門が参画しました。それにより、一方では作業プロセスが顧客の要望にきちんと適合し、他方では設備が簡単に操作できることを確認する必要があったのです。

設備の設計時には、開発者は一連の特殊事項に気を配らなければなりませんでした。例えば、指定されたサイクルでさまざまな作業を確実に処理できるように、ロボットにダブルグリッパーが装備されました。そのために特別にプログラムも開発されました。これにより、ワークキャリアを一つの作業工程で空にし、再び満たすことが可能になりました。これは効率向上のための重要な側面です。

ロボットセルはさらに、他のワークへの段取り替えが問題なくできるように設計されました。「機械工程へのロボットの統合には、機械カバーの適合だけでなく、ロボットと機械の制御間の適切なインターフェースの開発も必要でした」とコップ氏は成功裏に解決できたもう一つの課題について説明しています。

2つのグリッパーによるワークの供給と取り出し 

6軸型のKUKA KR 6 R900 sixx WPはロボットセル内で、例えばスローアウェイチップやシャンクツールなどの加工されるワークをパレットから取り出します。スローアウェイチップはピンの上に置かれます。その後ワークが、自動で開くセルのドアの前に配置されます。

ロボットアームは開いたドアを通って、動作中にすでに加工されたワークがあるロボットセル外側の研削装置まで移動します。2番目のグリッパーでロボットはこのワークを取り出し、その後グリッパーアームの高速回転を介して新しいワークを供給します。

工作研削盤 UW I F で新しいワークの加工が開始されます。ロボットアームはその間、ロボットセルに戻ります。ロボットが次に研削されるワークをピックアップし、ワークフローを再度初めから開始する前に、そこで加工されたワークは吹き出しステーションで清掃され、再びパレットに格納されます。 

完璧な生産プロセスのための要求の高い実現

2015年6月からKUKA KR 6 R900 sixx WPを備えたセルがSAACKE社の顧客の生産セルで稼働しています。可搬重量6キログラムのKR AGILUSシリーズのロボットは、わずか数グラムしかない非常に軽いスローアウェイチップも最大2.5 kgもあるシャンクツールも極めて精確に処理します。

このリーチ900 mmのロボットは、作業エリア全体を理想的な形でカバーしています。セルでは極めて丈夫なウォータープルーフ仕様の小型ロボットが採用されています。これは、安定性に優れたステンレス製カバー、劣化に強い表面加工に加え、さらに内部にはシールも追加したことで、工作機械での使用を可能にしています。

KUKA KR AGILUSは、工作機械での採用を可能にするウォータープルーフ仕様として製造されました。
これがロボット内部への冷却潤滑剤や切削油の侵入を防ぎます。これが、SAACKE社が高い保護等級IP 67の要件を満たすKR AGILUS WPに決めた最も重要な理由でした。「ロボットは直接的に冷却潤滑剤の噴射にさらされているわけではありませんが、ワーク交換中に作業空間は冷却潤滑剤のミストまたはオイルミストに包まれています」とコップ氏は説明しています。そのため、特別な保護がないと、シールや導線あるいは測定システムに支障が出てくるかもしれません。

SAACKE社の他の研削センターにもロボットベースのソリューション

SAACKE社はミラノの見本市EMO 2015でロボットベースのオートメーション化の試作品を披露しました。「弊社のお客様の反応の良さを見ると、この提供は弊社の製品ラインを補う重要なものであることが分かります」とコップ氏はまとめています。このロボットは、SAACKE社からのスピードとフレキシビリティに対する期待を完全に満たしています。

KUKAロボットの導入で、機械の稼働率が大幅に改善されました。

チップ・ツー・チップ時間は、VDIガイドライン2852に従って定義されている工具の取外しと次の工具の同加工位置への取付けにかかる時間ですが、これが短縮されたおかげで、機械の稼働率が大幅に改善されました。また、信頼性の高いプロセスにより機械の操作の手間を大幅に軽減させることが可能となりました。

「このソリューションでワークの大量生産も問題なく実現できます」とコップ氏は総括しています。このため、SAACKE社は将来、他の機械タイプにもロボットベースのオートメーション化を適用することを計画しています。それには、例えばワークのレーザーマーキングのような他の機能の統合が考えられます。

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