ミラノの高級ホテルでドリンクをつくるカクテルロボット
ミラノのタウンハウス・ドゥオーモ・ホテルのルーフトップバーでは、有名な大聖堂を眺めながらクリエイティブなドリンクを味わうことができます。バーの目玉はドリンクをつくるバーテンダーロボット。この全自動バーシステム「トニー」は、トリノに本社を置くMakr Shakr社により開発されたものです。開発の原点は、デジタル化と自動化の可能性を分かりやすく紹介するというアイデア。「カクテルやデザインへの情熱と、最新技術とを融合させたかったのです。」と、Makr Shakr社最高技術責任者アレッサンドロ・インチーサは説明します。
フル装備の全自動バーシステム
「トニー」は、IoTをベースにした最先端のコンポーネントと自動化コンポーネントを組み合わせた、完全自動ロボットバーテンダーです。KUKAのKR AGILUSシリーズロボット、KR 10 R1100とKR 6 R900-2の2台がカウンター上に取り付けられています。一方のロボットがドリンクカクテルをつくり、もう一方がドリンクをそそぐ際にサポートします。ロボットの上には、ボトル約150本分のホルダーが取り付けられています。後壁にはアイススペンダー、ビール、ワイン、ソーダ用コックがあります。また、ドリンク提供後にロボットがシェイカーを洗浄するシンクも設置されています。
簡単、シンプル
バーテンダーロボットへの注文はアプリで
全自動バーシステムはKUKA KR C4コントロールシステムおよびPLC(プログラマブルロジックコントローラ)で制御されています。注文方法はとても簡単。アプリからドリンクを選ぶだけで情報がロボットに送信されます。ドリンクの準備ができると、通知でお知らせます。また、アプリを使ってオリジナルドリンクの注文も可能です。「ゲストにはシンプルにロボットと遊んでもらっています」と、アレッサンドロ・インチーサ氏。
Makr Shakr社は「トニー」を通じて人とロボットの相互作用の境界を広げている。それでもアレッサンドロ・インチーサ氏はこう断言します。「ロボットが人間のバーテンダーに取って代わることが目標ではありません。ゲストに非日常のテクノロジーを体験してもらうことが目的なのです。」