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建築におけるロボット、パビリオン構成パーツを製造

博覧会パビリオン構成パーツを製造するKUKAロボット、それは建築へのロボット導入という革新的な出来事です。シュトゥットガルト大学研究所による開発が、建築業界でのロボットの可能性を立証しています。


ロボットによる製作手順

シュトゥットガルト大学コンピューター設計建築研究所(ICD)では、コンピューターを使った設計・建築の研究が行われています。主となるのが建築業界でのロボットの可能性です。ハイルブロンで開催される連邦園芸博覧会2019向けに、アヒム・メンゲス教授をはじめ科学研究スタッフのクリストフ・ツェヒマイスター氏、セルバン・ボデア氏、ニッコロ・ダンブロシオ氏で構成されるプロジェクトチームが、コイル巻きのファイバーで構成されるバビリオンを設計。KR 210 R3100 QUANTECが、KP1-HCのポジショナーに固定される2つのコイルフレームの周囲にファイバートラクト(繊維索)を巻き付けるという2台のKUKAロボットによる軽量パーツの製造です。システム製造のBEC GmbHが、ICDでロボットを組込みを行っています。

近くからでもパビリオンの複雑な構造がわかるコイル巻き構造。

革新的な建築の新しいソリューション

バビリオンは、最長6mの60個のパーツで構成されています。その特徴は、どのパーツもファイバーを固定する芯がないことです。「軸となる構造は、長いグラスファイバーとカーボンファイバーをロボットが束ねて作った材料うのみでできています。」とクリストフ・ツェヒマイスター氏。それはFibR GmbHが製造したものです。「構造が複雑なため、ロボットでないと実現できません」と語るのは業務執行社員のモーリツ・デルステルマン氏。FibR GmbHが、デジタル設計製造技術により高性能で表現性に富んだファイバーパーツを実現しています。

建築ロボットの高い精度と再現性がパーツ製作に活かされています。

革新的構成コンポーネントの製作

FibR GmbHは、以下のようなロボットによる材料製作工程を開発しています。2つのKUKA KP1-HCポジショナーにコイルフレームが固定されており、スチールパイプにより両方のポシショナーが繋がっています。その水平軸となるパイプは回転する設計となっており、同時にコイルフレームを動かすことが可能です。ロボットによる製作手順において不可欠なのは動作自由度。こうしてKR QUANTECのエンドエフェクタにとって最適なアクセス性が実現します。建築ロボットのアームには、ファイバーコイルが固定され、防水加工を施されストレス調整されたファイバー素材がエンドエフェクタにつなげられます。このエフェクタは最終的に、コイルフレームのストッパポイントの周囲に配置されます。

ハイルブロンの連邦園芸博覧会で完成したバビリオン全景。

建築業におけるロボットの長所

建築ロボットの高い精度と再現性により、すべてのパーツをそれぞれの最適な状態に調整することが可能になります。「60個のパーツの製作工程は、デジタルモデル化されています」と、クリストフ・ツェヒマイスター氏。アプリケーションの構成には、エンジニアリングスイートKUKA.WorkVisualが導入されました。広くテンションがかかるファイバー結合構造のため、ロボットによる製作は費用効率の点でも材料効率の点でも優れています。建築ロボットの潜在的可能性は、柔軟性、拡張性、高品質の構成パーツにあります。「ロボットによる製作のメリットは、資源消費の削減だけではありません。エキサイティングな新しい建築も実現できるのです」と、モーリツ・デルステルマン氏は語ります。

建築ロボットによって、まったく新しい形状の構成パーツをつくり出すことが可能に。

ロボットによるパーツ製作で、個々のパーツに対応した個別制御が可能になり、複雑なプロセスも容易に実行するこが可能になります。

ICD科学研究スタッフ、クリストフ・ツェヒマイスター

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