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機械製造業者であるMERZ社の4ヶ所の加工センターを結ぶKUKA KR FORTEC

完全な連結で稼働率を最適化。


この中小企業はドイツ経済の屋台骨を形成しています。中小企業の多くは、伝統のある会社であると同時に世界市場のリーダーです。ドイツ・シュヴァーベン地方のヘヒンゲンに拠点を置く機械製造業者であるMERZ社もそのような「隠れたチャンピオン」の一つです。この1900年創業の会社は、公称直径の小さいシングルシリンダー丸編み機の製造を専門にしています。この会社は医療用靴下や圧縮製品を製造するための自動丸編み機の生産で世界をリードしています。

将来も競争力を維持するため、MERZ社は生産における4ヶ所の加工センターを自動化することに決定しました。その目的は、品質、柔軟性、生産性を向上させ、ダウンタイムを最小化し、納入時間を短縮することです。これは、KR FORTECシリーズのタイプKR 500 R2830 F(ファウンドリー)のKUKAロボットで実現されました。2015年から、このロボットは4ヶ所の加工センターを連結し、セットアップ場所の出し入れを行い、工作機械の稼働率を最適化しています。

3シフト体制で少量生産もオートメーション化

機械製造業者であるMERZ社は、生産プロセスの自動化ソリューションへの変換をインテグレーターSOFLEX Fertigungssteuerungs-GmbH社およびwbt automation GmbH & Co. KG社に依頼しました。ロッテンブルクに拠点を置く1984年創立のSOFLEX社のコアコンピタンスは、ロットサイズ1までの中程度の個数および多種多様な部品に対応するフレキシブルな生産設備のためのコントロールシステムを実現することにあります。

SOFLEX社の経験およびノウハウは機械製造、エネルギー技術、プラスチック・光学産業ならびに自動車製造や航空機製造などの業種の顧客に役立っています。wbt automation GmbH & Co. KG社は2014年にシュパイヒンゲンで設立され、機械製造、工具製造、外科・医療技術または自動車および部品供給産業などの業種の顧客に対して、製作から生産および取付け、検査技術に至るまでの工程をサポートしています。

DMG MORI社製の工作機械を使った4ヶ所のDMG加工センターをオートメーション化することで、小さいロットサイズにもかかわらず年中無休の稼働を確保することが求められていました。さらに、自動化された設備をMERZ社のIT環境に使い勝手の良い形で統合することが求められ、セットアップステーションでのエルゴノミクスに対する要件も規定されていました。そこで、SOFLEX社とwbt automation社はロボットベースのソリューションの導入を決断しました。 

 

ロボットは最大限のフレキシビリティを提供し、さまざまな大きさや重さの機械パレットと原材料パレットをハンドリングできるようにします

wbt automation社の社長、ヨアヒム・ブルカート氏
生産設備4ヶ所のうちの一つで稼働するKR FORTEC。

KUKAはこのような要求に合ったロボットを提供しています。重い可搬重量のKR FORTECシリーズのKR 500 R2830 Fがそれです。最大限の作業空間を提供するために、このロボットはKUKAリニアユニットと組み合わせて使用されます。

MERZ社におけるオートメーション化の模範として、SOFLEX社のプロジェクトが参考にされました。それは、機械パレットと次の加工用に保管されている原材料を供給する生産システムのプロジェクトです。その設備の中心にあるのがKR 500 R2830 Fです。このロボットは長さ18メートルのKL 1500-3リニアユニット上を動き、連続する4つの製造設備で作業します。ロボットに課せられたタスクは、該当するワークや原材料を機械パレットに装備するセットアップ場所の出し入れ作業です。

これは生産プロセスにおいて決定的な役割を果たし、生産センター間を繋ぐパーツです。機械パレットと原材料パレットをセットアップ場所、保管エリア、加工機械の間で自動的に搬送します。こうして4ヶ所の加工センターは、全自動で無休稼働しています。それに加えて、SOFLEXコントロールシステムが社内ITネットワークに統合されました。

「MERZ社は自動化された設備を社内の情報フローに組み込み、機械のためのNCデータおよびツールデータの自動供給を保証することを望んでいました。これは不必要なダウンタイムを回避して、最大限の生産性を達成するための重要な要素です」とSOFLEX社の社長、フランツ・クライバー氏は強調しています。

加工センター間を行き来する丈夫な使者

KR FORTEC重可搬ロボットシリーズのKUKA KR 500 R2830 Fは、可搬重量が最大500 kg、リーチは2.8メートル以上で、基準重心間距離が非常に長い、広大な作業空間を提供します。KR FORTECは余計な凹凸がないコンパクトかつスリムな形状をしており、狭いセルでの使用だけでなく、まったく新しいセルコンセプトにも対応可能。

 

特殊なファウンドリー仕様は、汚れがひどく高温の設備に適しています。ロボットの鋳物製ハンドとロボット全体に複層の鋳物塗装を施し、硬度、衝撃抵抗度、耐摩耗性を高めています。塗装は希酸およびアルカリ溶液に対する化学的耐性をを有し、短時間であれば高温にも耐えられます。KR FORTECシリーズのすべてのロボットもまた、MERZ社の場合と同じように、リニアユニットでの使用に最適な設計になっています。

リニアユニットKL 1500-3は、特に高い可搬重量向けに設計されています。並進移動ユニットがロボットの作業空間を大幅に拡大します。その移動軸は、例えば複数の機械の装着など、ロボットの作業エリア内でワークや工具を動かすのに特に適しています。

特殊なファウンドリーハンドを持つKR FORTECは特に耐久性に優れています。

目標達成、成果はすぐに一目瞭然

インテグレーター両者の素晴らしい共同作業が、設備をスピーディに、そして成功裏に完成させる決定打となりました。「SOFLEX社と一緒に、弊社は早期に共通のインターフェースおよび各々の作業分野を正確に定めました。この他、弊社はソフトウェアとロボットシステムを運転開始前に十分にテストしました」とブルカート氏は総括しています。短い研修期間の後、MERZ社の従業員たちはロボットの扱いに充分に慣れました。彼らは特別なロボットの知識がなくても、タッチパネルで必要なコマンドやタスクをすべて直接入力できます。

事前に設定した目標はすべて達成されました。さらに、弊社は納期短縮や期日厳守によってサービスに大きな付加価値を付けました。何より、このロボットベースのソリューションは機械使用の改善、品質向上および内部プロセスの改善に貢献します。

MERZ Maschinenbau GmbH社の社長、ジークフリート・カール・ケック氏

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